〈アーネ・スックスドルフ/Arne Sucksdorff選集〉(計135分・DCP/35mm・白黒)
「スウェーデンを代表するドキュメンタリー作家、アーネ・スックスドルフ(1917-2001)の選集。『くちばし』は、無人の海岸で鳥たちが過酷な生存競争を繰り広げるさまを、美しい撮影によって見せる。『街の人たち』は、ストックホルムの一日をとらえた「都市交響楽」風ドキュメンタリーで、スウェーデン映画で初めてアカデミー賞を受賞した。『出立』は、ロマの人々が旅立つ姿を描く。いずれの短篇でも、角度をつけたショットがリズミカルな音楽と共に、的確かつダイナミックに編集されるさまは、現在観てもなお卓越している。スックスドルフは1962年にブラジルに移住し、映画作りを教える傍ら、貧しい子供たちの救済に力を注いだ。『幸せは遠い雲の下に』(当館所蔵プリントによる上映)は、その過程で製作された長篇セミドキュメンタリー。リオデジャネイロの高台のバラックに住む4人の孤児たちが、感傷を排したキャメラによって映し出される。
くちばし Trut!(18分・DCP・白黒)
街の人たち Människor i stad(18分・DCP・白黒)
1947(SF)(監・脚・撮)アーネ・スックスドルフ(音)スティーグ・リーブラント
出立 Uppbrott(10分・DCP・白黒)
幸せは遠い雲の下に Mitt hem är Copacabana(89分・35mm・白黒)
1965(SF)(監・原・脚・撮)アーネ・スックスドルフ(脚)フラーヴィオ・ミグリアーシオ、ジョアン・ベテンクール(音)ハダメズ・ニャタリ(出)レイラ・サントス・ジ・ソウザ、クワスミ・ドス・サントス、ジョザファ・ダ・シウヴァ・サントス
「くちばし」は、 私たちがす住む世界について思い出させてくれる。
「幸せは遠い雲の下に」は、リオデジャネイロのビーチと孤児たちの対比が独特な雰囲気の映画だった。